日々耕作

アラフォーひとり。自分が使っている身の回りのもの、映画やドラマの感想、考えてることとか書いてます。

ボーダーライン(2015年)

ボーダーライン(原題はSICARIO)。2015年製作のアメリカ映画。アクションサスペンス。

監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。撮影ロジャー・ディーキンス。主要キャストはエミリー・ブラントベニチオ・デル・トロジョシュ・ブローリン

youtu.be

アリゾナ州チャンドラーで誘拐事件の容疑者宅に奇襲捜査が行われる。FBI捜査官のケイト・メイサーと彼女のチームは容疑者の一人を射殺し、家屋の壁の中から無数の誘拐被害者たちの死体を発見する。裏庭の物置に仕掛けられた爆弾により捜査官二人が犠牲となる。ケイトは上司の推薦により国防総省のマット・グレイヴァー率いるチームに加わり、誘拐事件の主犯とされる麻薬カルテルの親玉マニュエル・ディアスの捜査に参加することを決める。 

5ちゃんねるまとめなどで、度々話題となったこともあるメキシコ麻薬世界との戦いの現実を見せる作品。そりゃ壁を築く宣言するわな。。と思ってしまう。キリのない小さな戦争ですもん。

民間人が多くいる渋滞中の高速道路でカルテルの手下達の襲撃を返り討ちにしたりと、ケイト(エミリー・ブラント)は、チームの一員で部隊を動かすアレハンドロ・ギリック(ベニチオ・デル・トロ)のやり方に苛立ち、反発心を持つ。
チーム指揮官であるマットに何度も上申するが、毎度たしなめられるのみ。疑わしい金の流れも見つけるもは作戦のためと説明。彼女はアレハンドロやマットだけでなく、組織にも不満を募らせ不信感を持つ。

エミリー・ブラントは『プラダを着た悪魔』でハリウッドに進出。毒舌だけど憎めない第1アシスタント役で見事ブレイク、アカデミー賞助演女優賞にもノミネート。
個人的な好みとして、こういう泥臭い作品での彼女が魅力的に感じます。
オール・ユー・ニード・イズ・キルでの軍の英雄役がアクションもの初でしたけど、腕立て伏せカッコよかった。。見事でした。惚れます。今回も泥臭い世界の中で捜査官として現場に立つ姿がよく似合ってる。

主演はエミリーですけど、この作品の主役はベニチオ・デル・トロ。彼の役、アレハンドロの復讐がもう1つのストーリー。彼は妻と娘を惨殺された過去を持ち鬼となり、冷徹に己を殺し、復讐を遂げる。


これは男性は好きと思う。クソかっこいいです。最低限の明かりのみで暗闇の中に浮かび上がるベニチオ・デル・トロ、クソかっこいいです。
1人で麻薬王の邸宅へ侵入し、成し遂げるシークエンス。命令ひとつで多数の人間を惨殺し、警察をも手中に収め、薬によって人々をボロボロにして成り立っている生活の中で、まるでそんな世界は存在しないと言わんばかりに平和にごく普通に食事をする一家。
妻はわからないけど、麻薬王の子供も何の罪もない。アレハンドロの娘と同じ。しかし。。
メキシコの乾いた熱い空気感や、夕暮れの涼やかさ美しさを映し出した美しい映像も素晴らしく。おすすめの作品。