日々耕作

アラフォーひとり。自分が使っている身の回りのもの、映画やドラマの感想、考えてることとか書いてます。

スピルバーグが好き

 

1993年に公開されたジュラシックパーク(原作:マイケル・クライトン

 

 

 


 日テレのロードショーで「ジュラシックワールド」を放送していて
やっぱりスピルバーグはんぱない。。ブログはじめるなら、これであると書き始めて放置すること2年以上。

さて、ジュラシックパークは私の好きな映画ランキング(たぶん)2位である。1位はAKIRA

この作品は子供の頃、兄たちと一緒に映画館で観ました。
ただ、私はこの映画の存在など知らず、見たかったのは安達祐実主演の恐竜映画。
(全然興味ないどころか、絶対ひどいやつと思ってたけど、皆が観たいと盛り上がってるのに合わせ、観たら自慢になるとの思いからだった。)
しかし、子供たちだけでの鑑賞だからと、あんたもこっちと母に押し流されたのでした。
今では強制してくれて感謝してます。サンクスサンクス

わたし今から何を見るの?????状態のまま本編スタート。
虫の鳴く音、カサカサと動く背の高い草。ライトに照らされるコンテナ。ギロリとこちらを睨む目。
コンテナの前には重装備した男達。それを運び出そうとしています。しかしコンテナの一部が開いてしまい、その隙から引きずり込まれる人!慌てふためき助け出そうとする人々。しかし、、あかんかったーの表情で幕開けです。

うんたらかんたらストーリーは進み、恐竜を現代に蘇らせたので、その目で見て欲しいとパークへと招待された恐竜博士、数学博士や弁護士を連れ周遊がはじまります。各々、ジュラシックパークを造り上げた経緯が説明されます。そして、一般にお披露目する前にパークを設立した大富豪の孫たち、
自由に散策できるのかと思いきや、自動運転の車で決まったルートを巡ります。これは映画を観ている側にとっては安心感。

とはいえ、ところどころに散りばめられる不穏感。一番の目玉であるT-REXにヤギを食べさせようと用意するが一向に現れず、メェェェと呑気なヤギ。それを一番小さな男の子が、そこから離れてしまうまで見てるんです。それがなんか不穏。
とはいえ、パーク巡りは進みます。しかし、いっこうに肝心の恐竜に遭遇せず、いろいろ文句垂れる恐竜学者。その横で、ついにそれを目にした古植物学者。大草原で悠々と暮らす首長竜の群れ。
文句垂れてた恐竜博士が座席から身を乗り出し、そこに現れる光景。この瞬間、私たち観客も恐竜にやっと遭遇するのです。その感動たるや。
当時、最先端のVFX技術への感嘆でもあり。
恐竜がいる!恐竜がいる!(←本当に出来たんだと完全に勘違いしてました。)

そうして、この世に蘇った恐竜たちを目の当たりにした一行は途中、ルートから外れたりしても、一応は順調に巡行し、元の場所へと戻ろうとしていました。
しかし、恐竜の遺伝子で儲けようと企む者がそれらを盗み出す間、電気を止めてしまい自動運転はストップ、安全のため巡らされていた電気柵は一時的に通電がストップしてしまい。。で、いよいよ物語は動き出します。

ジュラシックワールドは恐竜の登場、恐怖という点で物足りなかったです。VFXに慣れたというのが大きいとは思いますが。
主役である兄弟たちの面倒を見てた女性が食われるのが、なんとも理不尽で。いっぱい人がいるのに、その人だけだったような。

アクション映画好きで色々見てきてわかったのがアクション映画は単純と言われるものなんですけど、どう楽しませるか相当に技術とセンスがいるものだということ。ただバンバンドカドカやってりゃいいってもんじゃない。
スピルバーグは緩急がうまいです。安心させたと思ったら、まだまだ来る。T-REXに襲われる→逃げることができても車が落下→大樹に引っ掛かり助かった→車が落ちてくるも間一髪とか。電気が復旧して感電したりしながら、なんとか元の場所に辿り着く。
しかも、そこには美味しそうな食べ物がズラリと並ぶテーブルがあり、子供たちはお腹がペコペコなので、すぐに手を伸ばします。ザ・アメリカって感じで美味しそう。
キラキラ輝く緑色のゼリー。手を伸ばすお姉ちゃん。ごはんをモリモリ食べる弟がお姉ちゃんに目をやると様子がおかしい。『やめてよ、なんなのなんなの!?』手に持つゼリーがプルプル、ブルブルと震えている。見開く視線の先!
また出たー!追いかけてきたー!

と、子供たちが大困難にさらされます。この場面では助けてくれる大人もいない。
あっちとこっちでも危機に晒され、あえなく捕食される人も。。
子供たちがいる場所へ大人たちが戻っても危機は去らない。
まさにジェットコースター。平和感と危機の緩急がとにかく厭らしいほどに天才的にうまい。
あと視線の導き方。カメラワーク。自然に引き付け、興奮や不安、安心、楽しい、悲しいとか感情も共に動かす。なので、単純だけでもコントロールが非常に優れていないとツマラんのです。

で、映画の中でかなり目を引いた緑色のゼリー。これはちゃんと意図した演出だそう。
NHKでやってるお菓子作り番組「グレーテルのかまど」でジュラシックパーク回があり。それによりますと緑色というのはアメリカ人にとって「正体不明のもの」を表現する代表的な色なのだとか。
魔女や宇宙人とかですね。なので、まだまだ安心しちゃダメと勘づくためのものだったそう。スピルバーグいわく、"観客は我々が思うよりはるかに想像力にみちあふれている。それを利用しない手はない。"
だから、こういう感覚に訴えることができる。メタファーですな。考えてみれば、確かに人は赤ちゃんの頃から色々なものを目にし、感じた経験を積み重ね続け、視覚から認識してますよね。記憶などから視覚情報を補完したりと。

それにこの美味しそうに並ぶ料理、ちょっとグロテスクな印象。食事シーンはパークを巡る前にも出てくる。けれど、きちんとテーブルについて”食事”するフレンチ料理。それと対比すると、前者のは罠のような感じがする。童話なんかで子供たちを捕らえるために用意したかのよう。ちょうど姉弟だけなのでヘンゼルとグレーテルみたい。
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グレーテルのかまど」で他に知れたことは、スピルバーグは恐竜博士=グラント博士(サム・ニール)を理想の父親像として形作ったそう。作品の中で彼は、子供好きな人ではなくむしろ苦手としていて、しかし危機に面する中、知識を駆使しながら皆を守るのです。なんとか危機を乗り越えた一時の平和の時にも、恐竜の鳴き声をマネて共鳴してみたりとワクワクもさせてくれる。あと、たしか落ち込む男の子を慰めてあげるシーンがあったような。
ここでジュマンジロビン・ウィリアムスが浮かぶ。子供時代にゲームに閉じ込められ、大人になってやっと戻ってきたけど子供とともにまたゲーム。子供とどう接していいか分からない。ちょっと大人になって落ち込む男の子を慰めてあげるシーンがあるのです。
サム・ニールってお父さんな顔ですしね。

対して(?)ザ・独身な役のジェフ・ゴールドブラム=数学者。彼は子供たちをT-REXから守るため、その身を呈し怪我(足に)を負います。なんとかセンターに戻るんですけど、なぜか上半身をはだけとるんです。なぜ!?
子供の頃は、ムンムンと色気ありすぎて苦手で。大人になってもやっぱり何ではだけるんだと。。これはスピルバーグ的サービスシーンなのか。
もしもライアン・ゴズリングダニエル・クレイグが演じたら、、やっぱ脱がされますね。ありがたいですね。だからサービスシーンですね。

       image credit:instagram
公開25周年記念だそう。まさにセクシーゾーンである。


※作品の内容のところは記憶で書いてます。なので間違ってるところがあるはずです。

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Blogger公開:2017/8/6